カバドロ兄弟の「ストリートワークアウト」

現代の自重トレーニングの教祖とも言えるポール・ウェイドの
「プリズナートレーニング」でもモデルを務めたカバドロ兄弟の
「ストリートワークアウト」が日本でも発売された。






私は現在、自重トレーニングをほとんどせずに
ケトルベルスイングに筋トレはしぼっているが、
これは読みたい、買わずにはいられない。

さっそく一読してみた最初の感想は、

「ん?あ、あれ?これ写真集?」

ポール・ウェイドの「プリズナートレーニング」は
わら半紙チックな品質の悪い本で、写真は白黒。
その変わり、激アツなポール先生の教えが濃密に
詰まっていて、手取り足取りこれでもかと
キャリステニクス(自重トレーニング)の世界を語りに
語ってくれた本だった。

それに比べるとこのカバドロ兄弟の「ストリートワークアウト」
は、上質な紙に全ページカラーで値段も2600円くらいする。
ポール先生の本に比べると、文章の量は10分の1もないのでは
ないだろうか?

最初、活字中毒の私は読むところの無さに不満を覚えた。
これはアマゾンに返品かな、と思ったほどだ。
しかし、語るべきことはすでに「コーチ」であるポール先生が
語っている。

翌日、また「ストリートワークアウト」を手にとった。
読むべきところはすべて読んだ本なのに。

そして、また次の日も、なぜか私は「ストリートワークアウト」を
手にとった。

文章なんか読んでいない。

これは芸術的なキャリステニクスの写真集なのだ。
強者=ボディビルダーという毒が、二人の熟練のキャリステニクスの
使い手の姿に打ち消されていく。

かっこいい。
こうなりたい。

二人の自然な筋肉と人間離れした技と、
芸術的な写真を眺めていると「よし、トレーニングだ」と
いう気分になってくる。

そして、二人の自由なトレーニングの姿が、
いままでのトレーニングこうあるべき、という思い込みを
打ち消してくれる。

キャリステニクスはどこでもできる。
自由で、そして体にとって根源的なトレーニングなのだ。

ぜんぜん内容がない、と文章量だけ見て思った私は間違っていた。
写真の数々が雄弁に無言で語ってくれている。

素晴らしい本だと思う。

生徒に進むべき道を懇切丁寧に教えるのがポール先生だとしたら、
カバドロ兄弟は、生徒をワクワクさせて「あんな風になりたい」と
鍛錬に向かわせる夢を与えてくる教師だ。









Category: 未分類

- 2020年7月24日

コメントを残す

Your email address will not be published / Required fields are marked *