週刊リクニュース

第42回

クーラールーム

夕方の散歩を終えて、家のなかに入ると、

汗が出てきます。

「暑い!暑いな、リク」

と言うと、

リクは「ハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァ」

と「
もう死にそうです」という感じで床に転がっています。

いつもは、茶の間で休憩するのですが、

2階にある自分の部屋で、クーラーをガンガンに入れて凍ることにしました。

私の後について、階段をのぼり、リクも部屋に入ります。

部屋は6畳ほどで、クーラーのスイッチを入れると、

すぐにヒンヤリしてきます。

リクは、例によって、クーラーの冷風が当たる位置に陣取ります。

ごふうううううう

と本当に満足だワンという息を漏らして、微動だにしません。

私は30分ほどすると、寒くなってきたので、常温の部屋に戻ることに

しました。

私は、部屋のクーラーのスイッチを切り、1階に降ります。

すると、リクも金魚のフンのようにトコトコとついてきます。

1階はクーラー無しで、窓から風が入ってくるだけです。

「あ、あついワン、ここ、あついワン」


と多分、リクは思ったのでしょう。

クーラーを求めて、2階の部屋に戻っていきました。

「ああ、2階はもうクーラーついてないんだけどな」

とクククククと私は笑ってしまいました。

リクは、2階まで階段を昇り、

クーラーのついていない、窓締め切りの暑い部屋
で、

3分ほど「ハァハァハァハァ」と

暑さを味わって、1階に降りてきました。


哀れなほど、暑さに弱いリク。

育て方を間違えたかもしれません。




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