週刊リクニュース


第二号
リクの恋愛

ある日のこと、リクを撫でていると、

目の下に涙を流したような傷があるのに気づきました。

リクは、よく爪で鼻を「痒い、痒い」と引っ掻いているので、

そのときにできた傷かと、思ったのですが、どうもその傷、角度的にみると、

自分の爪でやるのは無理なんじゃないかなーという位置です。

そこで昼の散歩を担当している母親に聞くと、

「ああ、それ、Hちゃんに引っかかれた」

というなんとも切ない答えが返ってきました。

ハナちゃんというのは、近所に住んでいる黒ラブちゃんです。

以前の母の話だと、

「ハナちゃんはリクが大好き」という
モテモテ男だったハズですが、

なぜこんなことに、、、、と私は、母に問いただしたところ、

なんでもリクは非常に
「失礼な奴」だそうです。


無作法にハナちゃんの匂いをかぎまくり、追いかけ回したり、

上に乗ろうとしていたそうです。

つまり、

セクハラしまくりで、エヘエヘいってたら、

顔面を思いっきり引っかかれたそうです。


猫ならともかく、犬に

しかも、雄ならともかく、雌に。

どういうことだ?情けないというより、切ない。

切ないよ、リク。

よし!おれが雌犬の口説き方を教えてやろうじゃないか!

まずは笑顔の練習だ!ちがう!そんな弛緩した笑顔じゃ駄目だ!それじゃ変態だ!

そう、もっと知的な笑顔で!よし、それだ!偉いぞリク!

とリクを慰めてやりました。

不憫なワンコと飼い主です。


リク、男は傷が勲章って言うじゃないか。
散歩で出会う人には、喧嘩でできた傷です、って言うからな。



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