週刊リクニュース

第85回

1月17日
大ラブとの遭遇完全版


みなさん、こんばんわ。

ジェームス・ボンド風に、危険な人生を歩んでいる、リク兄です。

今日は、危険たっぷりな私の日常でも書こうかなー。

あれは確か、そう今日の事。

仕事中、用があって、お客さんの家を訪ねたのです。

私は、うきうきでした。

なぜなら、その方はラブラドールを飼っていると聞いていたからです。

「でも、飛びついたりしますよ、、、とにかく飛びつくんです
しつけもしてないですし、、、、、、、、、、、、」

みたいな微妙な困った顔だったのを覚えています。


しつけもしていない?飛びつく?

ふふん。

まあ、ラブラドールだし、
オレの手にかかれば楽勝!

という考えで、地図を片手に行ったのです。

で、玄関にいたラブラドール(オス)と対面したのです。

これがまた
デカイ!

うちのリクちゃんは体重35キロくらいですが、そのラブ君は、

40キロオーバー!骨格ががっちりしていて、デブには見えないのです。

ラブ君は、私を発見して、シッポふりふりです。

体は大きくても、心はラブラドールですね。

「よーし、よーし」と撫でたその瞬間。

ラブ君が、大柄な体には似合わない速度で、

私にむかって大ジャンプ!

私の肩に、前足を乗せて、体重をメリメリとかけてくるのです。

「くはっ、、!」と私はあとづさりしました。

ラブ君は、いったん、地面に前足をついて、また大ジャンプ!

こんどは、私の胸ポケットにぶらさがっていた、ビニールの名札をばくっ!

くわえて、もぎ取りました。

ちょっと怖くなるくらい大興奮しています。

「返せ!」と取り返そうとする私に、名札を口にくわえたラブ君が

飛びかかってくる。

<やばい、こいつはやばい>

とさすがの私も思い始めました。

「あああああ!」


一体、何が!?

この続きはまた今度。



リク兄と飼い主さん、秘術を駆使する!の巻


ああああああ!と心のなかで叫びました。

それは何故か?!

それは、私が大ラブ君から、名札を取り返そうと、

手を出したとき、大ラブ君が

ニカッ!と歯を見せて笑ったからでした。

これ、真横からみると、笑っているように見えるけど、

正面から見ると、鼻に皺をよせて、私に牙をみせて威嚇している、という

図なのです。

つまり、

<オレ様から、名札を取り上げたら、こいつ(牙)を喰らわせるぜ!夜露死苦!>

という警告なのです。

これはヤバイだろ、無理矢理取ろうとしたら、

かなりの確率で噛まれる!

マルチーズとか、シーズーとか、チワワとかだったら、噛まれても、

「あ、痛い、痛いからやめれ」ってなもんですが、

さすがにラブラドールくらいの大きさになると、ヤバイのです。

かといって、名札をプレゼントするわけにもいかない。

「リク兄」と書かれた名札を、どうするつもりだ、おまえ!?

畜生!どうすればいいんだ!!

飼い主さんは、大ラブ君の大興奮ぶりにおろおろするばかりです。

もうダメだ!さよなら、名札君!

と思っているとき、ふと、キング・ムツゴロウ様の言葉が、

頭に浮かんだのです。


<猛犬は、触れてしまえば噛むことはない。急所に触れろ。
とくにいいのは、胸である。胸に触れることができれば、噛まれることはない>


と、にこやかなお顔で、そう言いました。

「よし!それだ!」

と、私はとにかく「よーしよしよし!」と褒めながら、胸を撫でるという

行動に出たのです。

とにかく噛まれないことが先決です。

そうすると、大ラブ君はぐるぐると動き回り、

なんと!名札を口から出したのです!

「やった!」と私は、すこし曲がった名札をとったのです!

やりました、ムツゴロウ式秘術の奇跡です!


と5秒ほど、喜びました。

が、


すぐに地獄に逆戻り。




バクッ!



という音。

「ああああ!」

今度は、手にもっていた
地図を盗られた!

その地図は、お客さんからお客さんのルートが書かれてある大事な地図で、

その地図がないと、もうお終いです。

ボク、もう家にも帰れません。

でなもんです。

私は、バカの一つ覚えのように、胸に触る作戦で、

なんとか噛まれないように、地図を奪おうと必死!

こんどは、大ラブ君は歯を剥いたりしたかったのですが、

カジキマグロにみたいに、ビチビチと
必死に逃げます!

それを押さえようとすると、すごい体力がいるのです。

なんだが、気が遠くなってきます。

太股が痛い、もうダメだ、、、、、、

そのとき、

「オヤツを持ってきます!!」

と言って、飼い主さんが家のなかに走って行きました。

<私は、別にお腹、すいてないんで、オヤツは結構です>

と言おうとしましたが、
私にあげるオヤツじゃないことに

気づきました。

飼い主さんが、切ったロールカステラらしきものを

もってくると、大ラブ君はあっさりと地図を放し、

ロールカステラを食べ始めました。

私は、そのすきに大ラブ君から地図をもって逃げました。

これ以上、なにか盗られたら困りますからね。

007の1シーンのように、渋いやりとりでした。

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