週刊リクニュース

第84回

1月11日
超人伝説


最近、どんな本を読んでいるかといえば、

畑正憲こと、ムツゴロウさんの本ばかり読んでいます。

いやー、すげー、本当に凄い人です。

<さよならどんべい>という本があるのですが、そこでの

エピソードがとくに凄い。

どんべいというのは、もうハッキリ言って熊です。

体重250キロのヒグマなのです。

<さよならどんべい>は、どんべいが死んでしまい、

ムツゴロウさんの、心も体もボロボロになったところから

始まります。

最近の言葉で言えば、ペットロスですね。

テレビで極楽とんぼの加藤を押し倒し、顔を舐めまくって

調教していた王様も、ペットロスにかかるんですね。

なんだか、ほっとしました。

この本は、そのどんべいとの生活の回想記です。

この本のなかには、信じられない戦いが書いてあるのです。


ずばり、


ムツゴロウさん(50キロ前後)対ヒグマ(最低250キロはある)


やるなら、大晦日、ドームでやれ!みたいなスペシャルカードですね。

野生動物というのは、親と子が戦う、子離れの儀式というのが、

あるそうです。

人間でいえば、反抗期ですね。

ふとしたきっかけで、ムツゴロウさんに向かって

怒りをあらわにするどんべいちゃん。

それに対し、ムツゴロウさんも、怒っています。

逃げ場などない場所です。

もう死ぬ気で、クマとの闘争に入っていくわけです。

そのときの、決まり手はなんだったと思いますか?

動物学を駆使するムツゴロウさんのことです。

なにか、名案があったのでしょうか。



と思って、読んでいくと、


<どんべいがパンチを繰り出そうと身構えかけているところへ、私のストレートが
 とびこんだ。こぶしがひねりを加えながら、頬の、犬歯のすぐ後ろに食いこんだ>



って、
正拳突きかよ!

すげい、すげいよムツゴロウさん!

まさか、体重50キロくらいの人間のパンチが効いたわけじゃないだろうけど、

どんべいちゃんは動揺して、参ったしたのです。

気迫勝ちです。

そんな凄い話もあるのですね。

(間違っても、クマにパンチが聞くという話ではないです。クマは人間とは違いすぎるくらい頑強で、散弾銃とか拳銃で撃っても、死なないで向かってくるくらい、頑強だという話です。)




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