週刊リクニュース

第6回

<アホでマヌケなアメリカ白人>

という危険なタイトルの本があります。
作者はマイケルムーア、バリバリのアメリカ白人です。
どうなんでしょう、このタイトル。
内容は、ブッシュ大統領にたいする厳しい「つっこみ」が中心です。
どうして、アメリカの大統領ともあろうお方が、「つっこみ」なぞを受けるのか?
じつはこの大統領、9・11の悲惨なテロがおこった二ヶ月後のコメントで、
「すべてをひっくるめて、ローラと私にとって信じられないほど素晴らしい一年だった。」
と実際に発言されたり、
「誕生日を迎えて、どんなお気持ちですか?」と記者に聞かれて、
「すこし、歳をとって気がするよ。」
と答えてみたり、
イギリスの子供に
「ホワイトハウスってどんなとこですか?」と尋ねられて、
「白いよ」って答えたり、もうめちゃくちゃです。
いっそ、大統領(ボケ)とムーア(つっこみ)でコントでもしてもらいたい気分です。
この本、ムーアのユーモアのセンスがいいために、楽しく読めてしましますが、中身はかなり怖いです。
私のなかで、一つ印象に残ったエピソードがあります。
あの飛行機での自爆テロがおきてから、飛行機にはいろいろなものが持ち込み禁止になりました。
とうぜんですよね、すこしでもハイジャックの可能性を減らさないといけません。
そこで、とても犯罪にはつかえない「爪切り」までが持ち込み禁止になりました。
しかし、放火に使える「ライター」はいぜんとして持ち込みOKです。
ちなみに機内は禁煙です。
どうして放火に使えるライターが持ち込みOKなんでしょうか?
これ、ムーアさんは疑問に思って、警備の人間や空港関係者に聞いたそうです。
しかし、だれも答えられない。
ミステリーです。
どうしてライターの持ち込みがOKだと思いますか?
爪切りは禁止なのに。
この時点で、答えられる人がいますか?

答えは、ある若い男があかしてくれたそうです。

「私は議会に勤めています。実はガスライターは、FAA(連邦航空局)が作成してホワイトハウスに送った禁制品の原案の中にはちゃんと入っていたのです。ところが、タバコ業界がブッシュ政権に圧力をかけ、ライターとマッチを持ち込み禁止リストから外させたんです。彼らのお得意さま(ニコチン中毒者)は、飛行機が着陸するやいなや、吸いたくてたまらなくなるんです。空が安全である限り、そういう人を罰することはできません」

ほ、本当ですか?そんなアホな、、、、
ちなみに日本の飛行機もライター持ち込みOKです。
上記以外の理由が考えられる、という方、ぜひ聞かせてください。この本、本国では発禁寸前だったそうです。
こんな本が出版できることは、まだアメリカが大丈夫な証でしょうか?

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