週刊リクニュース

9月27日
京極本

昨日、京極夏彦さんの新刊「邪魅の雫」がでました。

京極ファンの私としては、もう即買いでしたね。

ああ、いつ新刊がでるのかな、、、とふとした瞬間に

思うほどでしたから、そりゃ嬉しかった。

で、読み始めているのですが、もう

分厚い!

817ページって、、、、!

京極堂シリーズの特徴として、

ほとんどの本が凶悪なほど厚いというのがあります。

あまりにも分厚すぎて

以前買った「鉄鼠の檻」などは、背表紙から割れてきて

分解寸前。

もうソフトカバーの限界に挑む厚さです。

中身なのですが、ページ数がありまくるせいか、

ぜんぜん話が進まない、、、、、、309ページまで

読んでいるのですが、いまだ探偵の榎木津礼二郎が

でてこない、、、、、起承転結でいえば、

300ページ読んでも、まだ「起→承」に

移るかな、、、といったシーンなのです。

かなり読書筋肉をつかう本です。

私がもし国語の先生で、生徒のだしてきた読書感想文が

「鉄鼠の檻」や「女郎蜘蛛の理」「塗り仏の宴」

だったら、偉い!って褒めまくりですね。

それにしても、この分厚さ、殺害現場に置いてあったら

<うむ、被害者は後ろから「鉄鼠の檻」で後頭部を痛打され、
倒れこんだところを、ホシに馬乗りになられて「邪魅の雫」で
顔面を死ぬまで乱打されたようだ、、、、
被害者の蔵書を凶器として使用する手口からみると、
こりゃ、ホシは相当、京極シリーズの
分厚さを熟知してるな、、、、、>

と刑事さんの推理は冴えまくる。

ダーンと鉄砲で撃たれた護衛官が愛読者だったとすれば、

<はっ!おれは生きている、、、、、な、なぜ、、、、そうか!
いつでも京極先生の本を読めるように、特注で特大の胸ポケットを
つくり、そこに読みかけの「邪魅の雫」をいれていたんだ、、、
そ、それが弾丸をとめた!京極先生はこういう事態を想定して、、、、、、セ、センセイ(涙)>

東の空に合掌というように、

人の命すらも救うほどの厚みを誇るのです。

中身も読んでみると、ときおり頭痛がするほど、私にとっては

難しかったりするのですが、やっぱりそれでも最後まで

読み通そう!と思わせるものでありますね。




そういえば、昔の苦い記憶が蘇ってきた。

一度読んだら最後まで、あんまり投げ出さない私なのですが

スティーブンキングさんの本は、、、、、、、ああ

「IT」は上巻で読むのを止め、

「ザ・スタンド」は5巻中の3巻を読んで挫折、

そして「ガンスリンガーシリーズ」も3冊目で挫折、、、、、

たぶん私がアメリカ人だったら、最後まで夢中で読んだと

思うのですが、やはり文化の背景が違うといまいち入り込めない

感じです。

京極シリーズは、まさに日本ならではが凝縮しているのです。

興味の在る方は、一作目の「姑獲鳥の夏」から読むといいと

思いますよー




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