週刊リクニュース

5月17日
土壇場の正体


人間も犬も土壇場になると虚勢が剥がれ落ち、

正体が明らかになるのです。

そう、逆境で人は試されるのです。

たとえば、

「おらーっ、喧嘩じゃ負けたことねぇ、喧嘩無敗!」と

豪語している人と一緒に街を歩いていたら、ヤンキーの

方々に「オイコラ!」と声をかけられたとします。

喧嘩無敵のその人が、勇敢にさばいてくれると思いきや、

「き、君たち、いけないよ、暴力は、、、、か、金かい?
金ならもう全部払うよ」

と勝手にガタガタ言わされていたらビックリしますよね。

おいおい、そりゃ喧嘩無敗だよな、おまえは弱腰の日本外交かよと

突っこみたくもなるというもの。

さて、いつも情けないリクさん、そんなリクさんの日常に

急に土壇場が出現したらどうなるのか?!

そんな命題の答えのような出来事が起きたので、

ここでご報告します。

さて、どんな土壇場かと言えばこんな感じです。

散歩コースにいつもリクに吠え掛かる柴犬君が

いるのです。

その柴犬君とりくは宿命のライバルというべき険悪な

仲でいつも私は飛びかかろうとする暴れリクを引っ張って

その場を去るのに苦労するんですよ。

そんなある日のこと、散歩していたら、

ワンワンワン!と吠え掛かってくる柴犬君。

グオゥ、と「やんのかコラ!」と唸り始めるリク。

盛り上がる2頭と裏腹に、私はかなり他のことを考えて

いて放心気味でした。

その瞬間、リクが綱を激しく引っ張ったのです。

スポッと私の手から綱が放れた!

あっ!と慌てる私。

綱から解き放たれたリク、犬小屋に繋がれている

柴犬君と
血まみれの死闘を繰り広げるのか!?

と思ったら、


「あっ、兄貴、、、、、、、」






こんな感じの情けない顔でした


「兄貴、、、、、」

と猛然と吠える柴犬君に背を向けて、

私のほうをみてオタオタしている。

つまり奴はいつも私が綱を掴んで仲裁してくれるから

死ぬほど強気なわけなのです。

いや、もしかしたら

「おらおら、リク兄一家のお通りじゃい!ワンワン!」

と私と綱で結ばれているから強気だということかもしれない。

まあ、どちらにして、

<いつも情けないりくさんは、やっぱり情けない>

という結論は、縄文杉のように揺るぎないのでした。

リクは走って逃げてきました。





戻る
バックナンバー