週刊リクニュース

4月20日
クアラルンプールから成田(4/7)


さて、今日はいよいよ帰国の日。

クアラルンプール11時発の飛行機なので、早めに起きて

朝食を食べて、ホテルのバスで空港に向かう。

バスは空港行きの客で溢れて座れなかった。

しかたなく、天井近くを掴んでバスの揺れに耐えていたが、

急カーブを曲がるときに、すぽっと手が滑り、前にたっていた男性の

頭にチョップしてしまう。

もちろん、謝りまくったさ。あはは。

温厚な人で助かった、、、、、、、

空港に行き、何事もなくカウンターに荷物を預ける。

今更ながらだけど馴れてきた。

さて、私の残された仕事はただ一つ。

おみやげを買うことだけ。

免税店みたいのが沢山あったけど、どうせマレーシアに来たのだから

マレーシアらしいものをお土産にしたい。

「Malaysia」と書かれているそれっぽい店にいくと、

「ドリアン」の絵が書かれたお菓子が目に飛びこんだ。

これだ、マレーシアといえばこれだ。

たぶん、かなりマズイと思うけど、ドリアン風味のチョコレートを

買い込む。あと、ドリアンクッキーも。

ありきたりなお土産ではつまらないじゃないですか。

もしも「なんだこれ?変な味!」と絶句されたとしても、

それが旅行ってやつさ。

食べた人も旅行気分を味わえるお土産、

やっぱりドリアンしかありません。

よしよし、みなさんに配るやつはドリアンで統一。

と確固たる信念で買い込む。

それから、出国前、宿を提供してくれて世話になった弟。

「お土産買ってくるからな」と大見得をきった手前、

ドリアンのチョコレートだけってのも気が引ける。

なにかこう、いいものがないだろうか?

ドリアン以上のインパクトを与える何か。

と空港内の店を歩き回って、発見した。

サソリの標本。

こんな危険な生き物がマレーシアにいたのか!

なんてインパクトのあるお土産だろうか。

これ、、、、いいかもしれない。ほら、男の子ってこういう

カブトムシとか好きだから、とおばちゃん的な心境で

いいね、いいね、と眺めまくる。

値段も手頃だ、、、、、買おう。

とそれを手に持ち、近くで眺めて思う。

「気持ち悪いな、この虫」

いいじゃん、すごいインパクトだよ!これ!と大騒ぎしている

心のなかのパーティの最中、それを壁にもたれかかり孤独に

眺めるニヒルな男のように、「それ、気持ち悪いからやめなよ」と

忠告してくるものがある。

たしかに、最初のインパクトは凄いだろう。これに勝るものは

そうそうあるまい。たぶん、北海道に行って来た友達から、

デカイ木彫りのクマを渡されるほどのインパクトがあるだろう。

しかし、そのインパクトが去ってしまったら、そこにはただ「怖い」

「キモイ」虫の標本が残るのです。

考えてごらん。

と最近読んだ、クリシィナムルティの決めぜりふのように自分に問い、

サソリを置いた。さらば、サソリよ、さらばだ。と

未練を断ち切って、その場を去る。

そして、次に目に入ったのは、ガラスのなかに

マレーシアでよく見かける花を閉じこめた置物。

おおっ、これいいかもしれない。大きさも手頃だし、なによりも綺麗だ。

ん?いろんなパターンがあるんだな、、、、と見てみると

あ、、、これは、、、、、綺麗な色のカナブンが花の匂いをかいでいる

置物がある。死んだ虫をガラスの中に閉じこめて、それを

観賞するなんて悪趣味なんて考えかたもあるだろうけど、

これは綺麗だ。気にいった。

と同じようなやつを二つ買った。

弟に一つ、あと家に一つ置いておこう。



買い物が終わり、ゲートをくぐって待合室に入る。

いろんな国の人がパスポートと航空券を提示して、

控え室に入ってくる。それを眺めていると、

インド人みたいな人が、赤い日本のパスポートらしき

ものを提示しているではありませんか!

おお、もしやインド系日本人?と思ったが、

違った。どうやら赤いパスポートは日本だけではないらしい。

そういえば、黒とか赤が多いような気がする。

どこかの国で虹色のカラフルな背表紙のパスポートを発行

しないだろうかと思った。

いよいよ日本に帰国となると、なんだか嫌になる。

日本はなんだか決まり事が多い国のような気がして

息が詰まる。

ちょっと自分の偏見を披露させてもらうなら、

これがそうです!という一般常識というものが

国全体を支配しているように思う。

そういえば、帰国してから「地獄におちるわよ」

の細木数子さんの番組をみたけど、

はたして、マレーシアのように沢山の民族、異なる宗教の

国で同じことが言えるのかな?と思った。

先祖供養が大切、墓を白い手ぬぐい綺麗にふきなさい

というけれど、水上集落に住んでいた

パジャウ族の人はふくべき墓石がないし(墓にあたる木々がある)

奥さんを5人まで持てるムスリムの人生相談に乗ったりできる

のだろうかと思った。

あと、ニートやひきこもりのニュースを見るのですが、

それも巨力な基準があるという問題から

派生したモノではなかろうかとも思う。

たった一つしかないモノサシで人生をはかれば、そこからはみ出した

人たちは歩くことが出来なくなる。歩く気を無くし、基準に満たない

自分が恥ずかしくなる、生きる気力を無くし、自分の価値を見失い、

部屋に閉じこもる。

難しいけど、価値観から自由になれないもんだろうかと思う。

しかし、基準から外れて生きるには、

日本は立ち止まれないし、立ち直りにくい場所なんだろうなーとも

思うのです。

けっしてマレーシアが

地面に座ってぼけーっとしていられる場所だいうことではないけど。

でも、

30をすぎた女は負け犬だと言われ、年収が少ないと下流階級。

上流階級のセレブの成功談が毎日テレビを賑わし、CMでは消費者金融が

バカ高い金利をとるくせに「ご利用は計画的に」と言い
            (計画的な奴は借りないし)

上下黒のトレーナー姿だけどバッグは

ルイビトンの娘がペタペタと歩き。

ブランド崇拝が蔓延し、買い物の衝動は全国を覆っているのです。

30年もかかる重い借金を当然のごとくしてマイホームを買い、

ローンと家族のため、サービス残業ウエルカムで会社に滅私奉公。

でもリストラされたらオレどうなるの?

その不安が現実化したときに、中年の死因の第一位が自殺の先進国が

できあがってくるのかと勝手に想像。

マレーシアでは決してそんなことがないかと言えば、

なんとも言えない。

わからない、たかだか9日間、しかもホテルに泊まり観光した

だけで、現地の人の使うマレー語はおろか英語も最低という私です。

しかし、日本を完全に離れて、他国でふらふらしていて

初めて見える日本の姿ってのもあるのですよ!

とかなり偉そうなことを書きましたね。

ふっふっふ、たった9日で日本が見える気になるのが

バカの真骨頂なのですよ。

と変に悟ったリク兄は、機内食を食べ、映画をみて、

チェスのゲームにはまって日本についたのです。

飛行機をおりて、税関に向かうときの第一印象は、

「さ、寒い!」

私はワイシャツ一丁で、ジャンバーは手荷物として預けてあるのです。

私の後ろにいた女の人二人が、コートを着ながらも

「寒いねー」「寒いねー」と言い合っていたが、

前を歩く私の
真に寒そうな姿を見ると、不自然に会話が止んだ。

い、いや、違うんだ、手荷物をとってだねー

そしてバックのなかからジャンバーを取り出せば

日本モードの私になるんだねーと

心のなかで弁解しまくった。

それから移動。

東京駅まで電車で移動。1時間20分。

それから八重洲の地下街の杵屋でうどんを食べながら

一人で乾杯。やっぱり日本食旨いわ。

それから高速バスに乗って金沢へ。

知らなかったけど、最近の高速バスはトイレつきで、しかも

席と席がくっついていない。けっこう快適な乗り物でした。

朝の7時10分で金沢到着。

飛行機6時間、電車1時間半、高速バス7時間という

連続移動を経験した私は疲労困憊。

このスケジュールは寿命を縮めるなー、

家につくと、リクは朝の散歩に行っていた。

茶の間に座ってぼーっとしていると、リクが散歩がから帰ってきた。

私はだまーっと座っていたのですが、私の脱いだ靴を発見した

リクは襖を壊さんばかりの勢いで走ってきて感動のご対面。

なんでもリクさん、私が旅にでた次の日は元気がなくて

ゴハンも食べなかったそうです。

おまえも苦労したんだねー、と頭を撫でてやってから、

部屋に行って眠るだけ眠った。

こんな感じでマレーシア旅行は終わりました。




ま、喜んだのは10分くらいなんですけどね。



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