週刊リクニュース

4月11日
コタキナバル2日目(4/2)

朝を起きてもしばらくゴロゴロしていた。

軽く二日酔いで、なんだか憂鬱。

午前中は寝て過ごし、昼飯は泊まっているホテルハイアットの

1Fにある和食レストランで食べる。

緊張している。

昨日、女王と会い、日本語でべらべらと喋ったせいか英語が怖い。

ゴハンもいまだに合わない。

微妙な味のいなりうどん定食を食べて、部屋に戻ると

やっぱり一日ゴロゴロして過ごすのは、もったいない気がしてきた。

よく考えればマヌカン島に行くのは今日しかない
(後にそれが間違いだとわかる)

マヌカン島は、珊瑚礁があって魚が沢山

泳いでいる南国らしい島だそうで、

かなり楽しみ。

バックを持ってホテルの近くにあるフェリー乗り場まで歩く。

暑い!さすがに炎天下のなか歩くと汗がだらだらでてくる。

歩いているうちに、やっぱり今日は軽く乗り場だけでも見ておいて

今度にしようと思っていたのですが、

フェリー乗り場の入り口付近にたっていた愛想のいい、

いかにも海の男風のアンチャンに

「どこに行くの?」と聞かれ、

咄嗟に

「I want to マヌカン アイランド」と答えてしまう。

やっぱり行こう。

そうすると、手続きをするカウンターを指差さて、

そこに行きなさいと言う。

「ダイジョウブデスヨー」と日本語で言われた。

うん、やっぱり日本人だってバレるんだよね。

そういえば、日本語で話しかけてくる外国人は怪しめと、

地球の歩き方に書いてあったな、、、、、なんて思っていたけど、

結局、この人は私にカウンターを教えても、

一銭の徳にもならないことが

判明し、本当にただの気のいい海の男だったことがわかる。

あまり思い出したくないたどたどしい英語で、

マヌカン島に行く乗客リストに名前をつらねる。

フェリーは乗客が7人集まると出発する方式で、時刻表なんかは

とくにない。私は椅子に座って待つことに。

そうしていると、スキンヘッドの白人が私と同じカウンターで

手続きをして、私の側の椅子に座った。

どうも、この白人さんも同じフェリーを待っている

みたいだ。私は乗客が集まるのを待ちながら、この日記を書いた。

ちらっと横を見ると、スキンヘッドの白人さんは読書をしている。

かなり容貌は恐ろしい、サングラスをかけているので

目つきはわからないし、

デカイし、なによりも白人だ。

おもいっきり外国人という感じ!

しかし、不思議なことに人種が違うことに対する違和感を感じない。

この旅では日本にいるときに抱えていた、そういう偏見がすこしづつ

溶けていっているのです。

たとえば初日に泊まった中華街で夜食を食べているとき、

お金の支払い方がわからずに困っていると、

すこし離れたところに座っていた白人のおじさんと

目が合ったのですが、

それがとても優しい目で、まるで私に

「大変だね、でも安心しな」と言っているような感じがしました。

白人=怖い!という江戸人感覚の私が、そう解釈するのです。

「アホなやつめ」と思われていると、解釈したほうが

偏見というフィルターを通して世界をみる脳的には筋が通っているにも

かかわらず。

日本にいるときの2倍は、周囲を観察している。

あまりにも頼りにならない英語を使っている私は、

この旅ではよく人の顔を見て、意思を読みとろうと

するようになりました。というかならざる得ない。

日本にいるときは、自分の感情の前に壁のように言葉があって、

あまり感情を表現したり、または相手の感情を読みとる努力もせずに、

言葉だけを聞いてコミュニケーションしていたような気がします。

しかし、ここでは言葉がまったく無力なので、感情だけが頼り。

相手の言葉というよりも、相手の顔やしぐさを

本当によく見るようになった。

そこで発見したのは、どうしてこんなに人種も風習も違う人たちが

身近に感じるのだろうかということです。

日本人、マレー人、中国人、白人、黒人、黄色人

というナニナニ人という前に人間だ、という

あたりまえのことが実感できたのです。

だから、まあ言葉が通じなくても変に誤解されたり、困ったりすることは

ないだろうと思いました。ほら、相手は本を読んでいるし、

スキンヘッドだけどそんな危険人物ではなかろう、と思ったのです。

そうこう思っていると、係の人に呼ばれて立ち上がりました。

となりの白人さんも同時に立ち上がり、列に向かおうとしたので、

手をだして、お先にどうぞのジェスチャーをしました。

手続きをするにせよ、会話にせよ、私の後ろなんかに並んだら、確実に

イライラすること受けあいです。

そうすると、その白人さんが話しかけてきました。

「キミは日本人なのか?」と聞いてきたので、

そうですよー、と答えると、

なんとその白人さんは、日本からマレーシアに帰ってきたばかりだと

いうことで、サイフから電車に乗るときに使う

スイカカードを見せてくれました。

なんだか気さくなやつじゃないか!サングラスをとれば、草食動物系の

大人しい顔の人じゃないか!

一気に安心した私もたどたどしい英語で話しかける。

なんでも、神奈川で働いていたそうで、

富士通の子会社に行っていたそうです。

システムエンジニアで、なかでもモバイルの互換性に

関するシステムを組んでいる

というところが奇跡的に理解できた。

というか、私にわかる簡単な英語で話してくれる。

この人は頭いい人だな。

相手の英語力を咄嗟に読みとって、

相手にわかるようなレベルに落として話し、

それが相手にちゃんと通じるって、けっこう凄い事だと思う。

そうこうしているうちに受付の順番になったのですが、

受付のあんちゃんに何を言われているのかわからない私を助けて

手続きをしてくれました。

私の旅はさまざまなところで親切な人に助けられて動いています。

だれだ?

渡る世間は鬼ばかりなんて言ったのは?

白人さんに、「アーユーfrom」と聞くとフランスだと答えた。

おお、フランスといえばリュックベッソン。

私は「レオン」が好きで、あれはいい映画だねーというと、

白人さんは、そうだろうと満更でもなさそうな顔だ。

同じフェリーにのり、20分ほどで最初の島についた。

残念ながら、白人さんとは行く島が別なので船から下りるときに

サヨナラした。

同じ船に乗っていた中華系の夫婦もいい人だった。

私が誤解していた帰りの船の時刻を教えてくれて、島で会うと笑顔で

手を振ってくれる。ううん、なんだろうか、

この会う人がことごとく、いい人。

なんだろうか、これは?と疑問に感じるほどだった。





(他のサイトから写真を借りました、、、小屋のあるところにフェリーが到着)



マヌカン島ではスノーケリングの道具をレンタルして泳ぎました。

残念ながら空が曇っているので、水の透明度がいまいち。

でも、生まれて初めて珊瑚礁を見た。

ファインディングニモで有名なカクレクマノミも見れた。

あと、テリトリーに入るとアタックしてくる魚がいた。

やろうかなり強気だな、と思っていると

足や腹を魚に噛まれる。

大きな魚がゆっくり泳いでいたので、後をつけた。

珊瑚のうえにくると珊瑚の色に体の色がかわり、

砂の上にいくと砂の色にかわる。

凄いシステムの体の持ち主だ。

珊瑚の横には、でかいウニみたいのが沢山ころがっていて、

その上を泳ぐと、なぜか体がチクチクした。

たぶん、なにかを出しているのだろう。

2時間ほど泳ぎ、無事にフェリーに乗りホテルにつくと、

もうクタクタだった。

あまりにも疲れて、外に食事に行く気にもならない。

そこで日本から持ってきた「柿の種」という8袋入りのお菓子を

4袋だけ食べた。

半分は、明日会うカヌーガイドの坂本さんへのお土産に残しておこう。

本当は8袋全部あげる予定だったのだけど、まあ許してくれるだろう。

それからはベットに横になっていた。

ろくなものを食べていない上に、疲れているにで気分が塞いでくる。

昨日の晩が楽しかっただけに、その落差になおさら寂しくなる。

これも旅かな、、、、なんと思った。

まあ、こういうときはヨガでもして気分転換しよう。

太陽礼拝をして、たくさん息を吸いこみ、吐きだす。

Aパターン、Bパターンをすると気分がすっきりした。

おおっ、やるじゃないかヨガ、行けるぞ!行動できるぞ!

と私は夜の散歩に出た。

町中を歩き回り、露天でマンゴーを買い、セブンイレブンで買い物をし、

インターネットの店でメールを打ったり、更新したりした。

ホテルに帰ると、セブンイレブンで買ったトマト味のポテトチップスと

ピスタチオを肴に、一人でビールを飲む。

まあ、いい日だったじゃないか。

夕方すこし気が塞いだけど、ヒッキーにならずにお散歩もできたしね。

ショーンコネリーの007がテレビでやっていたので、それを見ながら寝た。



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