週刊リクニュース

4月10日
クアラルンプールからコタキナバル

旅が終わってみると、自分自身にお土産をあんまり買わなかったことに

気がつきます。自分の為に買ったのは、映画「スピリット」のVCDだけ。

しかし、結果的に日本に帰ってから、これはかけがえのない品だ、と思える

ものが沢山あるのです。

まずは旅先でとった写真。

そして、毎日メモ帳につけていた日記。

日本に帰り、寒いなーなんて思いながらも日記帳を開くと、

あっという間にマレーシアがリアルに思い出せる。

本当に書いてよかった。

たぶん、何年たってもこの日記と写真があれば

この旅行のことを細部まで思い出せるのでしょう。

それに、サイトの更新にあたりこれほど頼りがいのあるパートナーはいません。

というワケで、今日の更新からは基本的に日記を元に書いていきまーす。





                4/1

ブレイクファーストは食べられない。

昨日、眠りについた時にはそう思った。あの無愛想な受付嬢に、たどたどしい

英語で朝食のことを聞くことを思えば、朝飯ヌキのほうがマシ。

しかし、朝5時に目を覚ますと
(緊張しすぎて早起きになったみたいです)
なんだか

そういう考えは消えていた。

あの無愛想な受付嬢に英語で聞いてやるぜ、という気分が出てきた。

そうしていると、電話がなった。

「ハロー」と出ると、ホテルのスタッフらしき男性からで、

「ブレイクファーストがあるからロビーにおりてきたまえ、OK?」と

わかりやすい英語で言ってくれるではないか。

「OK!サンキュー」と答えて、ロビーに降りていき、食堂に入ると

親切な女性が、受付にいって券をもらってきてくださいと、教えてくれた。

受付のスタッフは、昨日の夜とは全員変わっていて、

「ああ、はいはい、これねー」と昨日チエックインしたときに渡された

部屋の番号を書いた紙を再発行してくれた。

どうやら食券じゃなくて、この部屋番号の紙がいるらしい。

とにかく、それをウエイトレスの方に渡して、朝飯にありつくことができた。

いいね、昨日の夜は朝飯抜きだと絶望していたけど、こうやって食べることが

できた、幸先いいんじゃない?とご機嫌になった。

食べた物は、おかゆとトマトとマンゴーのようなもの。

とくにトマトは、「なぜメキシコ人はハゲないし、死なないのか」でも

クローズアップされていた元気の源に食材。

これから予想される空港での試練に耐えられるように、沢山食べた。
(追加:ちなみに日記には、「a lot of 食べたよ、meは」と書いてあったのですが、
あまりにも寒いので沢山食べたに校正しました)

ううん、こいつは朝から景気がいいや!の気分でホテルから出ると、

昨日ホテルまで送ってくれた李おじさんが待っていてくれた。

ベンツタクシーに乗りこみレッツゴー。

今日のベンツの車内は昨日にも増してエアコンが効いている。

エアコンディショナーから白い気流が見えるほど効きまくっている。

車のなかでは、昨日テレビでグリーンホーネットがやっていた話や、

やっぱり中華はおいしいですね、という話をする。

そして、空港に到着、握手をして別れた。

空港に入る、なーに飛行機にのるシステムは日本と同じだろうと思ったが、

まずどこのカウンターに並べばいいのかわかない。

そこでインフォメーションセンターのお姉さんに

「エクスキューズミー、I don`t know カウンター」といって、

航空券を見せると、「これはBカウンターですよ」といって、

微笑みながら教えてくれた。

「サンキュー!」と言ってカウンターに向かう。

気づいたぞ!

そうだ、エクスキュズミーとプリーズ、そしてサンキューと愛想のいい態度さえ

あれば私のほぼ単語で構成される原始人Englishでも許されるのだ。

というか許して欲しい!。

私も外人が笑顔で「すいませんが、おまえ、教えろ」と言われたら許す。

人間はどちらかと言えば、言葉の内容よりも、その人の表情や態度を

優先して受け取るものだ。

いかにもバカにしきった顔つきで、「尊敬しています」と言ったり、

憎しみに満ちた目で、「愛しています」と言っても信じてもらえないもんね。

(追加:あとから思えば、私がこの旅で一番活用した言語は

ボディランゲージだった。笑顔で聞くとあちらも笑顔になった、

感謝の念を持って人に接すると相手に

軽くあしらわれたり、怪訝な顔をされることもなかった。

使った英語を振り返れば、ほとんど単語だけで、かなり失礼な物言いのはず

だったんだけどね。この時の発見は間違っていなかったみたです)


ちょっと時間があったから、日本でこの旅に備えて作ってきたシティバンクの

カードを使った。

提携ATMにドキドキしながらカードを入れて、暗証番号を押すと、

おおおっ、RMが!RMが!私が日本で預けたお金が

リンギット
(マレーシアのお金)になって出てきたのです!

これって、両替する手間もいらないしかなりいいんじゃない?!

もしかして、これは買えるときにリンギットを預金していくと、円になって

口座に戻るってこと?!世界中どこにいっても同じことができるのか!?

凄い、シティバンク万歳だ!引き下ろしの手数料が無料になるには

ある程度の金額を預けないといけないんだけど、がんばって維持しようと

心から思えた。北國銀行ではこうはいくまい!

おろしたてのリンギットをサイフにいれて、無事飛行機に乗る。


そして、2時間後、いよいよコタキナバル国際空港についた。

飛行機から降りると、まず出口がわからない。

いかにも出口そうなところは、どうも入り口のようだ。

あれが出口ならどうして手荷物検査のカウンターがあるのだろうか。

というわけで、私は探した、出口を求めて、、、、、

そしてついに発見した、それらしいものがある!

階段をおりて

「ああ、出口だ、、、、」と歩いていく、

と横から警備員の方が

「NO、なんとかかんとか」

ええっ?!ダメなのか!出たい、私は空港から出たいのだ。

パスポートを提示したり、航空券を見せ、

out of エアポート!と思いつくままの英語と身振り手振りで意思を伝える。

いやだ、映画「ターミナル」みたいになりたくない!

というか此処はなんだ?どういう空港なんだ?かなりパニックになってきた。

そうこうしていると、警備員のおじちゃんが

「ほら、階段を上って右に行きなさい」と言ってくれたような気がした。

私の場合、英語を聞いても必ず

「〜〜〜〜かもしれない」がつく。

謎々を聞いているような気分になる。

で、階段を昇っていき、またうろうろしたら、別の出口らしきものが!

うーん、オレにもドラゴンクエストなんていらない。空港でこれだけ迷えて、

冒険できるんだもの。

青い顔でそう思った。空港から無事に脱出してタクシーに乗る。

地球の歩き方の地図を見せて、センターポイントというショッピングセンターの

あたりまで乗せてもらうことにした。

タクシーの運ちゃんらしき、サングラスの方は値段も告げずに

「ついておいで」と車まで歩いていく。

私は「あの、、、ハウマッチ?」と聞くと

「20RM(600円)」とのこと。

聞いてから気がついたのですが、高いか安いかの相場もわからないのです。

ふーん、って思ってお終いでした。

それから軽自動車みたいな車に乗る。

空港から街まではけっこう離れていた。歩けるかな?とちょっと思っていたが、

それを実行しなくてよかった。タクシーから降りると、ドアが半ドアに

なったので閉め直すと、おじさんが笑顔になった。

車から出た第一印象は「暑い」

それに独特な匂いがする。

日本語のインターネットが使える店があると聞いていたので入ったのですが、

荷物の重さと人混みに負けて出てくる。

ホテルにチエックインして荷物を預けてからにしよう。

それにボルネオの女王に挨拶に行こう!

日本を出るときは極力、自分の力でなんでもしようと思っていたけど、

ここ数日、じつはゴハンを食べても戻していたり、想像を絶するほど私の

英語はお陀仏だと思い知った私には助けが必要だ。

日本語スピーカーで、しかも英語もマレー語も解する女王は頼もしいこと

このうえないのです。

それにもうフラフラで精神的にちょっとキツくなってきた。

ホテルにチエックインした私は女王のいる観光局まで歩いた。

何度か迷った末に、たどりつき、玄関にいる愛想のいい男の人に

「May I have 女王」というと、ちょっと待ってと言われて、

読んできてくれた。

ちなみに、「May I have 女王」は「私は女王が欲しい」という意味だったらしい。

これを聞いて、「May I have」の使い方についてよく考えるようになった。

そして、女王と初対面。

ばりばりのキャリアウーマンみたいなタイプでちょっと怖い人かと思った

けど、話しやすい人でよかった。正直ほっとした。

もっと年上の方かと思ったけど、お若い方だ!

オフィスに案内され、これまでの艱難辛苦の数々を話す。

まじで精神科のカウンセリングを受けているような気分になった。

女王には、日本語のパソコンを貸してもらったり、ラサリアリゾートの予約を

いれてもらったり、観光のアドバイスをしてもらったりした。

そうこうしているうちに、女王の勤務時間が終わったので、お茶でもしましょうと

いうことになりました。

日本語を勉強しているメリッサさんと女王、私の3人で観光局の近くのお店で

お茶をする。メリッサさんは、すごく性格のいい子だった。

私はつたない英語と女王のお力を借りて、趣味のことや、日本のこと、

結婚のこと、家のことなどを話した。

メリッサさんが日本語を勉強しているというので、私も簡単な言葉を選んで

日本語で話しかける。

「私の 街には 雪が 降っています」とか

「コタキナバルは とても暖かいです」とか

区切って話していたら、

女王にも

「これは とても おいしいですね」と日本語が不自由な人に

話しかけるように話してしまった。大笑い。

メリッサさんの日本語力と、私の英語力はどうやら同じくらいで、

私が英語で、メリッサさんが日本語で話すと、

もうなんだか笑えてしょうがなかった。



女王が写真を送ってくれたので、小さく掲載。

「えーと、あのー、うーん、なんていえばいいのかなー」と
膠着状態の会話。


「あっひゃっひゃっ、何言っているのかわかんねー」



そうやって話していると、今日は職場の上司のお別れパーティがあるので

こないか?と誘われたので、これは行くしかないと行きます行きますと

返事。じつはこのあと、トイレで吐いたくらい体調が悪かったのだけど、

これは行くしかない、倒れても行こう。外国で飲み会にでるなんて機会、

そうそうあるもんじゃない!




というワケで、女王の職場の方の車に乗せてもらい酒場へ。

イスラム教国家のマレーシアに酒場があるとは思わなかったのですが、

ここボルネオ島はキリスト教やネイティブマレーシアが強いので

酒場が普通にあるそうです。
(クアラルンプールのホテルにはビールが売っていなかったな)

パーティに行くと、さすがに私は壁の花。

もう不安で女王の側から離れられない忠犬状態。

しかし、少しづつマレーシアの美味しいビール、タイガービールで

酔っぱらってくると緊張がほどけてきた。

変わり者のシステムエンジニアの方とビリヤードをしたり(ボロ負けだった)

女王の力を借りながら、すこしづついろんな人と話せるようになった。

しかし、女王は話すきっかけは作ってくれるのですが、話が始まると

獅子の親子のように私を英語の千尋の谷に

落とすかのようにあっちに行ってしまうのです。

しかも、何回か通訳してもらっていると、

あるとき、話している人の言葉もわからなければ、女王の言っていることも

わからないという理解不能な状態になった。

なぜだ、女王が何を言っているのかぜんぜんわからん!

あとで女王に聞くと、

英語をマレー語に翻訳して

私に話しかけていたそうです。

わっ、わかるわけなかろうがー!

かなり頭が痛くなってきましたが、そうこうしている内に

なんか話が合う人がいた。

ポーリンさんという女性はなんとヨガをしているそうで、やはり共通点が

あると意思の疎通が速い!

私に蓮華座が組めるか?と聞いてきたので、

「組めますよー、そこどころかこんなこともできるよー」

と蓮華座を組んで、両手を床について体を浮かすというウプルティというポーズを

して見せると、凄く驚いていた。

おおっ、なんてナイスなリアクションと私は酔った勢いで、そこから蓮華座を組んだ

まま倒立して戻るという動作を見せると、何故か皆さんの前でやるハメになった。

真ん中でヨガの動作をする私、、、、、ああ、調子に乗りすぎた、、、、、

今思い出しても恥ずかしい、、、、、、、酒はいかんですマジで。

それから、次に話せたのはウエブデザイナーとデザイナーの方。

デザイナーのメルビンさんは、なんとマックユーザーらしく、

新型のインテルマックのことについて話した。

ウエブデザイナーのジャコブさんとメルビルさんの名刺をもらった。

やっぱり共通の話題がある人は話しやすい!

メリッサさんが、上司の女性の方にスピーチとそして写真のプレゼント。

上司の方も涙を流し、メリッサさんも涙を流している。

いい送別会です。不思議な感じです。

まるで日本の飲み会に参加しているかのような感覚。

このとき、私は外国だとか文化だとかいろいろと違うけど、やっぱり同じ人間

なんだな、すごく理解できるなー、と心から思えました。

それからしばらく一人でぼーっと座っていると、メリッサさんが気をつかって

隣に座ってくれた。ううん、いい子だ。私のメチャクチャの英語を

聞くのは頭痛いはずなのに。

それにしても、今夜ほど英語がもっとできるようになりたいと思った夜はなかった。

なんだか、メリッサさんの趣味が写真で、後日、私の写真も撮ってみたいと

言ってくれたんですが、

その日程の相談が私のつたない英語ではぜんぜんできなかった、結局それっきり

会えなかった。メリッサさんにはちゃんとしたフィアンセがいるので、どうのこうの

考えたわけではないですが、いい友達にはなれると思ったんですけどねー

あと、明日の夜ディスコに行こうと誘ってくれた方もいたけど、それも

なんだか英語が上手くいかず、あやふやなままでさよなら。

ポーリンさんも、ヨガを一緒にしようと言ってくれたような気がするんだけど、

その話もそれっきり。ああ、やっぱり英語だ、、、、それにしてもマレーシアの

人は多民族国家だけあって、英語が喋れる人が多い!

職場のなかにも、頭にスカーフを巻いたムスリムの人がいたり、

マレーシアの原住民の方がいたりと、かなり民族が多種多様。

こんな環境に生まれたら、いやでも国際人になりますね。

9時30分ごろになり、さすがに体力の限界になったので皆さんとお別れ。

本当に皆さん、フレンドリーな方ばかりだった。

言葉が通じないので、なおさらそのフレンドリーな感覚がわかる。

完全燃焼な夜、本当にいい人たちに会えた日だった。



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