週刊リクニュース

2月24日
ファッション


とつぜんの話ですが、

いまから15年くらい前のこと。

格闘議界に衝撃的な事件がおこりました

アルティメット大会と呼ばれる最低限のルールしか

備えていない過酷なトーナメントで、ホイス・グレイシーという無名の

柔術家が骨折、打撲が頻発する周囲をよそに、ほとんど無傷で勝ち上がり、

当時の格闘技ファンは騒然となったのです。

黒船来航、そんな言葉が雑誌の表紙を飾りました。

そんな強い強いホイスが、インタビューでこういったのです。

「私の兄、ヒクソングレイシーは私の10倍は強い」

ええええっ、ホイスの10倍?ウソだろ?マジかよ!

と驚いた格闘技界は、さっそくヒクソンを日本に呼んで、

なんでもありのトーナメントを開催した。

日本の強豪や、国外の大男たちに混ざり、ヒクソンは

ホイスの10倍強いかも?と思わせる勢いで優勝したのです。

ふうう、長い前置きでしたが、

ただ、私はこの一文を使いたかったのです。

「私の弟のSは、私の10倍はおしゃれだ」

この間、葬式で従兄弟や弟と会ったのですが、なんでしょうか、彼らの

おしゃれなこと、おしゃれなこと。

ちょっと自分を省みるに、眩しいくらいでした。

彼らはおしゃれに情熱をかけている。

私は時計すらしていなかったのですが、弟はオメガ、従兄弟はロレックスと

あきらかにいい時計が腕に輝いていました。

姿も流行を追っているというワケではないのですが、おしゃれです。

うむむむ、私も少しはいい歳なのだから、服装にも気をつかわないと

いけんな、、、などと考えていると、

帰郷した弟が、私のユニクロじみた姿を見かねたのか、東京に帰るさいに、

あんまり着ないジャケットを一枚送ってやろう、と約束してくれました。

奴は約束を守る男でした、口約束に終わるかな?なんて思っていたのですが、

ジャケットが届いたのです。いったい、どんなご家庭でお育ちになったのですか?と

聞きたいくらいです。

で、今日はそのジャケットを着てみました。

黒でコーデュロイっぽい生地、弟と私の体型はほぼサマなのでピッタリ。

お値段を聞いてビックリ。なんと
8万くらいするジャケットらしいのです。

こんな高い服を着るのは初めてだ、、、、、、と着てみると、

なんと似合うじゃないですか、馬子にも衣装とはよく言ったものです。

恐ろしいことに気分まで違ってくる。

いい服を着るって気分がいいもんですね。

そうなると時計や靴も新調したくなる、、、、、、

そろそろ30歳、流行を追わず
(今までも追っていなかったが)

いい物を買って永く使うっていうヨーロピアンみたいな

生活スタイルでもいいのかな?なんと思います。

しかし、物に振り回されるような人間には成りたくないですね。

ついでなんで、私にとって物に振り回される人間とは、

どういう人のことを言うかという実例を挙げますね。

そう、あれは一昨年の夏のことでした。

海岸の狭い駐車場で、おじいさんの運転する軽四が駐車してあった

新しいボルボに接触事故を起こしてしまったのです。

そのボルボのオーナーは怒り狂って、「てめえ!」と

おじいさんの胸ぐらを掴んで睨みつけ叫んでいました。

それです。

私が思うに、物に振り回される人間とは、そういう人間です。

ボルボだかなんだかしらないが、ちょっと接触されたくらいであれだけ怒れる

のは、貧乏だから。聞いたわけではないのですが、きっと何年ものローンを

組んで無理して、なけなしの金で見栄を張るために買った車なのです。

その人にとっては車がご主人で、そのご主人に奉仕するが如く、

ローンを払っているのでしょう。

その大切なご主人を傷つけられたのだから番犬の如く激怒する。

これは言い切れるのですが、金持ちは自分の車が

へっこんだくらいでは激怒しません。

なぜなら、彼にとってその車はただの所有物であって、

傷ついたり無くなったりするのは当然のことなのです。

車なんか壊れたらまた買えばいいだけのことなのです。

自分がご主人で、車は車というスタンスなら、ぶつけられても老人の胸ぐらを

掴むほど激怒しないはずです。

と妄想豊か私は思ったのです。あんなみっともない人にはなりたくないな。

というワケで、私は汚されても壊されても平然としていられるくらいの

レベルのイイ物を買おうかと思います。

ちなみに、貰った8万のジャケットを着ているときリクがよってくると、

毛がつくので私は走って逃げます。修行が足りないですかねー


戻る
バックナンバー