第3回
<バイクもいいな>
花村萬月の「自由に至る旅」を読みました。
簡単にいえば、バイクで野宿する良さを、おもいきっり力説した本です。
「へへ、おれはそんな簡単におまえの言うことなんか聞かねーぜ」とツッパッてないと、読後、ぜんぜん興味のなかったバイクで旅に出たくなります
私はといえば、実はハタチのころ、400ccの<エリミネーター>というアメリカンバイクに乗っていました。
そのときのことを思い出し、かなり感傷的になりましたね。
バイクは車に比べると、はるかにハードな乗り物で、
夏は暑い、冬は寒い、雨には濡れる、と悲惨なんですが、すこし遠乗りしたときの疲労感とか、夜のトンネルのオレンジ色の明かりや、風を切る音、ずぶぬれで走ったことや、
冬、寒くて動かなくなりそうな手を、皮手袋ごしにエンジンに触って暖めたこととか、車にくらべると、ずいぶん記憶の刻まれ方がリアルですね。
車の免許を取ってしまい、バイクを売り払い、乗らなくなって数年たちますが、またバイクが欲しくなったなー
すっかり洗脳された私でした。
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