週刊リクニュース

10月10日
おりこうリクさん

政治家が改革改革いって、あんまり物事が進まないのに比べ、

リクさんと私の間ではちゃくちゃくと改革に成功しているのです。

おいおい、政治家共、おれんちに見学にくるかああ?と

態度もデカくなるほど嬉しい。

正直、密かに「脱オヤツ宣言」したときは、ほんとうにこの

マニフェストを守れるか、飼主として一抹の不安はあったのですが、

りくさんと私はやりました。

ここだけの話、りくと私の間では、長い間
癒着がありました。

我が家の黒い川、はつる底なき汚職の嵐。

実際は、こんな感じです。

「りく先生、そろそろお休みの時間ですが、、、」

「ん、もうそんな時間かね?ほう、だから?」

「ハウスに入っていただきたいのです」

「ハウス?、、、、それよりもキミ、私をキミの部屋に私を連れて
行ったらいいじゃないか、私は一晩中番犬として活躍したいんだが。」
(ふふふ、さぞがし睡眠不足になるだろうね)

「、、、、、、、、ま、先生、これで一つお願いします」
(とジャーキーを差し出す私)

「キミは話がわかるね、やっぱりハウスで寝るよ、ふはははは」
(とハウスに入り、ジャーキーを味わうリクさん)

という談合が毎日繰り返され、大切なジャーキーは浪費され、

飼い主の持ち金は、湯水のようにおやつに消えていたのです。

そんな放蕩な暮らしで、リクの体調が優れなくなり、

ハムのようなカラダになったいま、痛みをともなう改革を断行したのです!



ジャーキーなしでハウスにいれる。




私にとってはプロジェクトX。

全国の飼い主の皆さん、あなたの家では愛犬はオヤツなしでハウスに

入りますか?

風のなかのー、すーばるー、と私の脳内で音楽が鳴り響き、

ほーけーっとした顔でお座りしているリクにいいました。

「ハウス!」

リクは微動だにしません。

「リク!ハウス!」

はっはっは、と楽しそうな顔をするリク。

「ハウス!」

「ハウス!」

「は・う・す!」

根気強くハウスを繰り返す私。

リクはアホのふりをして乗り切るつもりのようですが、

私の意思は大変硬く、ハウスに入るまで何度でも命令するという

意思に瞳は炎のように燃え上がり、まさに星飛雄馬。

「ハウスッ!」

「ハウスだっ!」

「ハウスである!」

と気合いをいれて言うと、なんとリクはすごすごとハウスに入ったでは

ありませんか!

うおおおおおおっ!と心のなかで絶叫した私。

さて、ここからが大事です。

いままではまさに大日本帝国の鬼軍曹のように厳しい顔をしていましたが、

厳しいだけではダメなのです。

いままでは、ハウスに入るとオヤツがあたる、嬉しい、でハウスに入って

いたリクです。そのオヤツがなくなり、厳しい命令だけになると、

ハウスに入る=嫌なこと、と一気にハウス嫌いになる。

という訳で、私はおやつに代わるいいことをリクに与えないといけない。

「よしよしよし!おっ、か・し・こ・い・なー!なんと利口なワンコだろうか?!おれは本当にびっくりしたぞ、凄いなー、リクー!」

とあらん限りの力を振り絞って、リクを褒めて撫でて、これでもかこれでもか

と褒め称えたのです。

これがリクには嬉しかったらしく、次の日もその次の日もハウスに

入るようになりました。

偉い、偉いぞリク。

長い間の利権を手放すなんて、そうそうできるもんじゃない。

やっぱりイヌはただ者じゃねえ、と唸るのでした。






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