週刊リクニュース

9月17日
モモ

更新しよう!とつらつらと書くのですが

10日も更新しないでいると、頭にある文章筋肉が無くなり、

まったく書けないのです。

これではいかん、このままフェードアウトして

更新断絶してしまう、、、ということで、

最近、読んだ本のことなんかを書いてリハビリしたいと思います。

さて、今回読んだ本は、モモ。

「ネバーエンディングストリー」で有名なミヒャエルエンデの作品です。

思いっきり子供向けの本なのです。

本を手にいれるときも、図書館の低い書棚のなかで、

「時間どろぼうと ぬすまれた時間を人間に
とりかえしてくれた女の子のふしぎな物語
モモ」

と書いてある本をとってきて借りるのは、

恥ずかしかったです。

おれ、あとすこしで29歳なのに、、、、

きっと周囲の方々が、なぜにいい年をした大人が子供向けのコーナーを

物色しているんだ?あっ、こいつ、もしかして、アダルトチルドレンって

やつか?それとも、ヒラガナの多い本しか読めない気の毒な頭の方?

と思っているかも、と一瞬思いましたが、

自分が思うほど、他人は自分を見ていない!

心のなかで呪文のように唱え、児童のコーナーにわけいり、

モモを手にしたのです。

なぜ!?

「名前は?」と聞かれたとき、

そうさなー、(椿の木を見ながら)

「椿、、、、、三十郎とでもいっておこうか」

というギリギリ20代、もうすぐ三十郎私がいまさら「モモ」なのか?

じつは以前に NHKスペシャルの特集を本にした「エンデの遺言」

という腐らないお金が引き起こす問題、資本主義の問題などを

エンデが語った本を読んでからというもの、

エンデって凄い、これは「モモ」や「果てしない物語」を

読まないと!と思い続けていました。

しかし、図書館にいって、そのヒラガナばっかりの文字を

ペラペラ眺め、「これ、やっぱりベイビーむきだよね」などと

思い、なかなか借りるにいたらかったのです。

しかし、このたびようやく決意し、読むにいたりました。

児童向きだとうが、大人向きだろうが、素晴らしいモノは素晴らしいのです。

さすがに、目を通してみるとスラスラ読めます。

し、知らない漢字がひとつもない!お、おれは天才か?!

と興奮したりしませんでしたが、とにかく読みやすく、

物語のイメージが豊かで、これぞエンデって感じです。

子供に向けて書かれた本だから、内容もこめられたメッセージも子供むけ

のものかというと、ぜんぜん違います。

エンデは、現代への比喩や批判をこめています。

話の筋はこんな感じです。

<日々を人間らしく、愛情をもって生きていた人々の住む街に、

人間の時間を盗み、その「死んだ時間」を食べて生きる灰色の紳士たちが

やってきました。

灰色の紳士たちは、人々に

「無駄な時間を減らし節約しなければならない」

と言葉巧みにささやき始めます。

ささやかれた人々は、考え方が変わり「大切な人との時間」や

「心をこめた仕事のやり方」「子供と話しあう時間」を

節約し、日々を忙しく生きるようになり、世界は人間らしさや

豊かさを失っていくのです。

孤児で円形劇場の遺跡に住んでいるモモは、まさにスローライフの申し子。

やってきた「灰色の紳士」の誘惑に負けず、あろうことか打ち負かし、

灰色の紳士たちの「重大な秘密」を聞き出してしまいます。>

というストーリー。

私はモモの友達のペッポじいさんの話が感動的でした。

「一呼吸一呼吸たいせつに仕事をしていく」

って私の仕事にも共通するんですよね。

自分なりのやり方を貫くペッポじいさんが、モモのために

とった勇敢な行動は、ある意味、家族を背負い、ローンを背負い、

日々息をつく暇もなく働くお父さんの悲哀を感じさせました。

モモを読んで、私は生きるってなんだろう、時間ってなんだろう、

とつくづく考えさせられました。

読み終わって頭から消えたのは、

いわゆる「勝ち組」「負け組」という区切り。

「勝ち組」って、なんだろう。

高い収入を得るけど、時間に追い立てられ、激しい競争を繰り返し、

息をつくまもなく働きまくる「勝ち組」

モモの世界でいえば、まさに灰色の紳士を契約し、

時間を騙しとられている人々そのままです。

そういえば以前、テレビで世界をまたにかける弁護士を

セレブだー!と特集していました。

バリバリ仕事をこなし、高級レストランで食事、高級車で移動、

趣味はヨット。まさしく夢の生活。

そして最後に
将来の夢を聞かれる国際弁護士。

「そうですね、将来は海の近くにうつり住んで、もっと家族との時間を持ちたいです。畑を耕したりしてのんびり暮らしたいですね、、、、」

というではありませんか。

なんと、国際的な弁護士は、海沿いに住み、畑を耕してのんびり生活して

いる私のおじいいちゃんおばあちゃんの生活に憧れているのです。

はたして富や地位は人を幸福にするのだろうか?と

真剣に考えました。

人から軽んじられ、食べ物にもことかく貧困は嫌ですが、

適度に働き、つつましく暮らし、豊かな時間をのんびり生きるほうが、

バリバリ働き、セレブに生きて、日々を駆け抜けるよりも

幸せだ、と私は思いました。

そして、日々の何気ない生活をもっと楽しむことを覚えないなー、とも

思いました。

私でいえば、リクを散歩する時間や、ブラシをかける時間、

語りかけ撫でる時間を節約し、その節約した時間で、

いったいどんな素晴らしいことができるのか?ということです。

さあ、つぎはネバーエンディングストーリーこと

「はてしない物語」に挑戦です。

また児童コーナーに深く潜入するとします。

アダルトチルドレンじゃねーぞ!







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