8月28日
犬探偵
アホ犬りくを連れた朝の散歩が終わり、家路について
いるときのこと。
家の近くでマルチーズ発見。
「あらー、かわいらしいマルチーズだこと」
とのほほんと見ていたら、あることに気がついた。
飼い主がいない、、、、、、
マルチーズ君は、電信柱の匂いをかいだり、まわりをきょろきょろ
したりと挙動不審。
これは、完璧な迷子犬だ！
これはどうしたものか、私は一旦家に帰り、マルチーズに吠えかかるで
あろうリクを玄関に放置して、マルチーズ君のもとに戻りました。
このマルチーズ君の犬生はいろいろ。
1.幸運にも自宅にたどり着く
2.迷って暑さでへばる
3.迷い犬として、保健所に収容される
マルチーズ、、、、その生態や能力を私は知らないのですが、
キレイな毛並みから想像するに、家のなかで飼われ、あまり外には
出ない犬だと思われるのです。
リクとの散歩のとき、このマルチーズと会ったことがない。
つまり、このマルチーズ君は、外界を歩き馴れていない。
5年間も毎日近所周辺を散歩したリクなら、自力で
家に帰れるでしょうが、どうもこのマルチーズ君は
帰れそうにない。これはやはり人の力が必要でしょう、と思った矢先。
「ん？あれ？これって、Nさんちの」
と私はふと近所にマルチーズを飼っている家があることを思い出しました。
かすかな記憶では、マルチーズを抱っこして車に乗り込む
Nさんの姿が浮かびました。
「あらー、きっと探しているなー」
と私はこれはいい事ができる、これはめったにない善行を積むチャンス
日頃の悪行を挽回する機会とばかりに、
マルチーズ君を抱っこして、歩きはじめました。
小型犬など抱いたことのない私は、子犬の頃、リクをだっこした
やり方を思い出して、なんとかこんとかNさんちまでたどり着きました。
チャイムを押すと、ワンワンワンワンと家のなかから犬の声。
私はその声を聞きながら、あいたたたたた、と思いました。
家のなかからNさんと、その飼い犬のシーズーが出てきました。
あいたたたたた、マルチーズとシーズー間違えているよー
私はとにかく、マルチーズの迷子犬を拾ったことと、近所で
マルチーズ飼っている家をしりませんか、と聞きました。
「うーん、知らないなー、犬飼っている家で聞けば
知ってるかもしれんよ、ごめんねー、今から出かけるんで」
そうか、こうなったら仕方ない。
ふっふっふ、虱潰しに犬飼っている家を訪問してやるぜ！
私はヤル気マンマンでした。
私は玄関に「犬」のステッカーの貼ってある家を探しピンポン作戦。
そういえば前職でもこうやって住宅地を飛び込み営業していたけど、
そのときにこういう漲るヤル気があればよかったなーと
過去に浸りました。
2件目に訪問した、大型のバーニーズマウンテンドックを飼っている
家の奥さんは、「犬を飼っているご近所がいるから行ってみよう」
と一緒に探してくれることになりました。
おおっ、誰だ、「渡る世間は鬼ばかり」なんて書いたやつは。
まさしく「渡る世間に鬼はなし」
訪ねて行った家の方も、自分が思い当たる家に聞いてくれて、
いつしか3人で探すことになりました。
「知らない」
「知らない」
と何回も聞くはめになり、ヤバイな、と思いましたが、
抱っこしているかわいいマルチーズ君が全員を突き動かすのです。
しかし、もっぱら家のなかで生活しているマルチーズ、こんなにも捜索が
難航するとは思いませんでした。
それからしばらく捜索していると、
ご近所さんの協力と、地道な作戦でとうとう有力な
情報を手にすることができました。
「あっ、そのワンコはMさんちのB君だ！」
ブラボーです。
有力情報をもたらしたご近所の犬飼い歴18年のベテラン飼い主さんと
一緒にMさんちに行ってみると、
なんとMさんちの玄関の木戸が、マルチーズが通れるくらい開いている
ではありませんか！
そうして無事に飼い主さんとB君は再会をはたし、めでたしめでたしと
なりました。
飼い主さん曰く、
普段は知らない人が抱っこしようとすると、
ウーッと威嚇するB君、
どうやら本人も相当困っていたから、知らない人に
大人しく抱っこされたんじゃないか、との事。
やっぱり困っていたんですね。
いや、いいことすると気分が清々しいです。
こうやって更新のネタもできたし、最高最高！
と家に帰ると、首輪をしたままのリクが、
玄関でふて寝していました。
リクは帰ってきた私のポロシャツの匂いを異様な集中力で
クンクンかぎます。
マルチーズの匂いがついているのかなー？
なんてポロシャツにの匂いを嗅ぐと、小便臭い！
どうやらマルチーズ君は不安のあまり、私の胸のなかで
すこし失禁したようです。
ちょっと清々しい心が曇りがちになったけど、
良いことをすると、それ自体が報酬だという言葉を実感した
数時間でした。
めでたしめでたし。
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