週刊リクニュース

7月17日
東京遊学1日目



東京、それは私にとっては青春の街。

たった4年間でしたが、若きリク兄が右往左往した街なのです。

今回の旅の目的は、2つ。

1.アシュタンガヨガを習う。

DVDで独習してついた間違った動作を
バッサリと捨てて、正しい動作と考え方を
習うのです。

2.昔住んでいた所や職場を写真に撮る。

手元に東京時代の写真があまりにも少なく、
寂しい。思い出をきちんと保存したいのです。

この二つのミッションを達成できたら大満足。

まあ、あれだね。

おれ様、以前、東京に住んでいたので楽勝でしょう?

そう思って出かけた私。

さあ、どんなことが待っているのか?

東京遊学記のはじまりまじまり。


1日目

朝5時30分に起きて、リク様のお散歩を終わらせて金沢駅へ。

7時20分の特急に乗りました。さらばリク、いい子でお留守番して

いるんだぞー、金沢から特急は出発。

電車に揺られながら、車内をみると、

ポロシャツ、ジーパンというスタイルの人間は私だけ。

みんなスーツ。出張だろうか?そんなサラリーマン軍団のなかで、

遊びに行く私、非常に浮いている感じがひしひしと伝わってきくる

ので、難しい顔で「幻惑の死と使途」を読書することにしました。

ちなみにマジシャンが殺されて、死体が消えるという大変面白い

ミステリーです。

それからは、ああ、ひさしぶりの東京だなー、とぼーっとしたり、

ヨガスタジオのスケジュールや、路線図を入念にチエックして

迷子対策をしていると、まもなく東京についた。

電車が止まり、降り立った東京駅。

さあ、素晴らしい東京旅行の始まりだぜ!と思ったのは

数秒だけ。


「、、、、、、、、、、、、うえっ」

人だらけだ、もう私の前後左右、密集するほど人がいる。

うえっ、と書いたが、本当に気持ち悪くなってきた。

汗や化粧、香水の匂いと、排気ガスの混じった空気が駅には充満して

いるように感じました。

「やばい、、、、」

カルチャーショックです、、、信じられない!体がびっくりしている。

思い返せば、普段、道を歩いているとき、隣のいるのはリクだけ。

ここまでのレベルの人混みは、何年も経験していないのです。

本当に吐き気がしてきて、トイレに駆け込みと、

そのトイレがまた
汚い!うええええ、と外にでて、

どこか、どこか人がいない落ち着ける場所を探さないと、と

青い顔でウロウロしました。

おれ、本当に6年前まで東京に住んでいたんだよな、

と自分で自分に確認しました。

とにかく驚いた、人が多すぎる!

宇宙戦争で、主人公の娘がパニックになっとき、中国式の礼をする

みたいに手を組ませて、

「ほら、ここがおまえのスペースだ!ここにいれば大丈夫!深呼吸して!」

とアドバイスしていたのを思い出し、

一瞬、やってみようか、と思いました。

寸前のところで、いや、こんなの気のせいさ、と言い聞かせて、

とりあえずは、駅から外に出ればマシだろう、出口に向かいました。

東京駅の近くに昔、働いてきたビルがあるのです。

そこに向かって歩き出すと、すこし気分がよくなってきました。

景色はかなり変わっていました。

まず、職場は無くなっていました。

「、、、、、、、、すごい、、、さすがは東京だ」

仕事帰りに遊んだゲーセン、よく食べた弁当屋、おなじみだった店が

ほぼ壊滅していました。

弱肉強食の東京、まさかここまでとは思いませんでした。

新しい店もずいぶんできていました。

時代の波をおもいっきり感じて、東京駅に引き返しました。

ああ、諸行無常。

東京駅についてみると、時刻は12時。

2時から渋谷のヨガスタジオでレッスンがあるので、

渋谷に向かいました。

かるく昼飯を食べないといけない、と思うのですが、

まったく食欲が湧きません。

人は多いし、空気は悪いし、足元はふらつくし、
(東京在住の方、気分を悪くしたらすいません、田舎者の感想です)

半病人のような気分で渋谷まで歩きました。

うーん、最悪な体調です。こんなんでヨガできるんだろうか?

時計を見ると、まだ時間があるので、

どこかで休もう、とカフェにはいりました。

そこにたまたま「トマトとキャロットのジュース」があったので、

これは天のお助けと、それを昼飯にすることにしました。




この店、ドリンクを頼んだお客が申し出れば、セラピーサービスとして、

肩を揉んでもらえるようでした。

その時の私は疲労困憊で、かなりの
有資格者、

肩を揉まれるのに相応しい体調でしたが、

たくさんの人がいる渋谷のオープンカフェで、肩なんか揉まれたら

恥ずかしくてなおさら具合が悪くなるかもしれません。

ジュースを飲んで放心すること50分。

ちょっと元気でてきた。

そして、とうとう念願のヨガスタジオへ行く時間になりました。

今日、お邪魔したのはネティポットとマットを買わせていただいた、

tokyo-yoga.comさん、東京のヨガスタジオの大半は

入会金などいらず、レッスンの開始時間の15分前にいき、

チケットを買えば教えてもらえる気楽なシステムです。

私は、ドキドキしながらスタジオのドアを開けました。

はいってすぐに受け付けをして座っていた女性が、

今回の「初級」レッスンを担当される、かずみ先生でした。

話しやすい雰囲気の方で、ほっとしました。

教室は25畳くらいのスペースで、生徒さんは平日の昼ということも

あって、なんと6人。うち男性2人、同志がいました。

レンタルしたマットをもって、先にきていた人の横に

「ここに引いてもいいですか?」と聞くと、

「どうぞどうぞ、ぜんぜんいいですよ、私も最近始めたばっかり
なんですよー」と

本当に愛想よく話しかけてくれます。

私の中で、「ヨガをしている人=いい人」というイメージが

完成です。やっぱり初めが肝心ですね。

旅行で石川県から来たことを話すと、他の参加者の方から

「あっ、私大阪!」という方がいて、6人中2人が都外から

きた珍しいクラスであることが判明。

大阪からきた方も私と同じように、色々なヨガスタジオに顔を

出す予定だと言っていました。

うーん、似たようなことを考えている人はいるもんですね。

そうこうしているうちにレッスン開始。

最初はアシュタンガヨガの説明。

ポーズが似ているアイアンガーヨガとどこが違っているのか、

わかりやすく教えてもらいました。

三角のポーズという、体を横に倒して足の親指を掴む、という

アサナ(ポーズ)があるのですが、

アイアンガーヨガの場合、足の親指に届かない場合は

ブロックを置いて、まっすぐな姿勢で静止します。

非常に厳密な姿勢を作り出すために道具を使うのです。

一方、アシュタンガヨガの場合、道具は使いません。

アシュタンガヨガで重視するのは動作や呼吸の流れで、

道具をセットするような中断を嫌うのです。

できなかったら、できないまま、さてどうするかというと、

膝を曲げてでも、完璧じゃなくても親指をとるのです。

先生は完成されたポーズを示し、生徒はできないなりにも目指すのが

アシュタンガヨガらしいのです。

それから一番違うのが、太陽礼拝。

ポーズの大半は、この太陽礼拝というポーズの一部の動作で

繋がっていて休むことなく、呼吸とともにさまざまな

ポーズをとるのです。

呼吸はウジャイの呼吸、別名「勝利の呼吸」を使います。

私はこれが一番聞きたかったのです。

このウジャイの呼吸、胸をふくらます胸式呼吸で、お腹をへっこませて

鼻から呼吸します。吸う量と吐く量は同じにします。

さて、この呼吸、やってみるとスポーツクラブでうけている「ヨガ」で

やっているようなリラックス感がぜんぜん得られないのです。

逆に目が醒めるような感じで、

「吐く方を長くしたほうがリラックスできるんじゃない?」と

悩んでいたのですが、説明が始まってビックリ。

「アシュタンガヨガって、普通のヨガみたいにリラックスできないよね」

先生の説明は衝撃的でした。

アシュタンガヨガでは、エネルギーを高め、

それを体内にバンダと呼ばれる身体操作でロックし、

体を燃焼させ、浄化させるのです。

ヨガ=リラックス、と思いこんでいた私はこのとき、

「うわああああ、きてよかったー」と感動。

ウジャイの呼吸のレッスンをうけて、常日頃疑問だった

さまざまなことが解消し、すっかり満足しました。

それから基本の太陽礼拝ABの説明をうけました。

始めるまえに手を合わせ、先生のあとに続いてマントラを唱えます。

これが難しいのですが、お経のようで非常に心地よい感じです。

さて、実際に動いてみると、

やっぱり勘違いしてやっていた動作が多数ありました。

変な癖がつく前にきてよかったです。

それからスタンディングのポーズも教えてもらい、レッスンが終了。

どこからこんな汗がでるのか?

と思うほど滝のような汗をかいていました。

いつもはDVDと一緒にハーフプライマリーシリーズをできないながらも

最後までやっているのですが、それよりもずっと濃密な練習でした。

いままで、間違ったことやってたー、って感じです。

時間をみると、20分ほど長めに教えてくれたようです。

先生が言うには、

「今日は遠くからきた人たちがいるから
スタンディングの全部のポーズをやりました」

とのこと。

先生、本当にありがとうございます、、、、、!!

目から鱗が落ちる1時間50分。

初めてアシュタンガヨガをしたんだな、と思いました。

嬉しいことだらけで、レッスン中に、家では一回も成功したことがない

ポーズのBaddha Padmasanaにも初めて成功しました。

すこしずつ成長していく、上達していく、

こんな楽しいことはありません。

最後にかずみ先生に押し掛けるように質問したり

ポーズを教えて貰ったりとかなりお世話になりました。

「マリーチアーサナのD」がそのとき、補助してもらってできて、

なんとたった1時間50分で、いままで不可能だったポーズが2つも

できるようになりました、いや、本当に、

本当に先生ありがとうございます、としか言いようがありません。

スタジオをでると、気分爽快で、さっきまで弱っていたのが

嘘のようです。アシュタンガヨガをすると、体が活性化するが

実感しました!これは流行るのも判ります。

ダイエット効果も凄くあるだろうし、筋力もつきますよー。

続けていれば精神と体も結びつくそうで、いいことずくめです。

よかったよかったと納得して、思い出の地めぐりを再開しました。

銀座、有楽町をめぐり、弟と合流。

弟は、会社から提供されている新型のエルグランドで迎えにきて

くれました。国会議事堂や東京タワー、皇居を眺めながら、ドライブ。

日産の最高級ミニバンを社用車として提供する弟の

景気の良すぎる会社の話を聞くと、

「はあー、いまだにバブルなんだねー」と感心。

そうです、私の弟は一流の営業マンなのです。

話を聞いていて、我が家から、

どうして弟みたいな人間がでたのだろうか?と

自分を振り返り、ふと疑問になりました。

笹塚のマンションに泊めてもらい、波乱万障の東京一日目は

こうして終わったのでした。

なんだかんだあったけど、いい一日でした。



2日目に続く。




戻る
バックナンバー