1月28 日
おれたちモデル?
リクと一緒に激写されたのは、月曜日のこと。
早朝の凍った道をリクと歩いていると、
黒いジャンパーをきて、カメラをもった男が
話しかけてきた。
「すいません、北國新聞ですが、凍った道を歩いている
人という感じで写真をとりたいんですが、よろしいでしょうか?」
嬉しいじゃないか。
私は控えめな人間と近所でも評判なのですが、
写真をとってやる、もしかしたら新聞にも載せてやろう、
というような意味のことを
言われると、確実に嬉しいのです。
「では、そちらから、ワンちゃんと一緒にさりげなく
歩いてきてください」
と指示され、リクといそいそと歩く。
カシャッ、カシャッ、カシャッ、とシャッターをきる音。
ちなみに、さりげなく歩けなかった。
顔がほころんでしょうがなかった。
なんとか寒い日ということで、渋い顔をしようと努力する。
「もう一回、お願いします」
とお願いされる。
<おれたち、モデルみたいだな、リク>
とご機嫌で歩いたのです。
写真を撮り終わって、カメラマンが一言。
「掲載されなかったらすいません」
寒い風が吹いた。
で、次の日もその次の日も、私とリクは新聞に載ってなかった。
うーん、私はともかく、リクはぜひ新聞に載って欲しかったなー