週刊リクニュース

7月11日
舞台を見た

私の知り合いに、コンサートとか舞台の

イベントの仕事をされている方がいるのです。

昨日は、その方に誘われて、

劇団KAZARI@DRIVE+かりんの会の

「伎王」という舞台を観賞してきました。

場所は、小松の称名寺。

お寺なのです。

なかに入ると、木の香りがして、太い柱、梁、

もうこれでもか、というくらい立派な木造建造物の

本堂のなかで、畳に座って観賞するのです。

これはいい!と私は早くも興奮しました。

蝋燭なんかが灯されていて、自然に怪しい雰囲気です。

ここで、演じられる
「伎王」は、平清盛とか、

仏御前とか、平家物語の一節のようなのですが、

風李一成さんが、かなりのアレンジをしたそうで、

琵琶のかわりに、エレキベースの方が、

ベンベンするという新しさ。
(アホみたいな日本語ですね)

役者は二人。

風李一成さんと野々市恵子さん、

一人2役です。

私を誘った方は、「かなりわかりずらい話だ」と

言っていました。

一人何役もするのは大変だろうな、まあわかりにくくても

大目にみよう。

と心に決めて、観賞したのですが、そんな心配は杞憂でした。

自分と5メートルも離れていないところで、同じような目線で

見る舞台というのは、凄い迫力で、

役者の情熱が、そのまま伝わってくるのです。

で、話なんですが、これがまた面白いのです。

私は、てっきり、平家物語の一節を淡々と演じるのかと思って

いたのですが、予想外の展開。

平清盛と、旅の僧という二役を風李一成さんが、

演じているのですが、二人の意識が

夢の中で交差し、夢と現実の境目が狂ってくるのです。

そんな中、怪異な女に出会うという

映画「アイディンティー」にも似た複雑な構造で、

ただの時代物ではないのです。

最後のほうは、もう意味がわからないほど狂ってくるのですが、

それでも面白いのです。

見終わったあと、

「意味がわからないけど、面白い!」と思ったのですが、

後ろに座っている女の方が、

「意味わからん、ぜんぜん繋がらない。こんなのアリ?最低!」

と文句を言っていました。

うーん、意味がわからないから最低!とは、どういうことだろうか?

言いたい。

この世には、
理解しなくてもいい話が存在するのです。

森の暗闇で怪異に出会った僧も、同じように

起こった怪異を理解していないのです。

観客も理解できないのです。

つまり、
怪談と同じスタイルなのです。

怪談というものは、説明しないのです。

ただ起こった怪異を描くだけ。

だからこそリアルで、怖いのです。

理解できないから、面白くない、なんてことはない。

つまり、「伎王」は理解できない面白い話でした。

だらだらと書きましたが、もう終わってしまった舞台なんで、

皆さんが見ることはできないのです。

そう思うと、舞台というのは、限られた人数しか見ること

ができない贅沢なものです。

映画もいいけど、たまには舞台もいいですよー



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